中小企業経営強化税制は、機械などお客様が購入された設備について100%即時償却や税額控除が認められている制度です。
当初の適用期限が2021年3月31日まででしたが、コロナの影響もあり、2023年3月31日までの2年間延長となりました。
この税制には、生産性向上設備を対象にしたA類型や、収益力強化設備のB類型などあります。
税制のメリット
① 100%即時償却
通常、機械などの設備は、取得時に全額経費にすることはできず、耐用年数(*1)の期間にわたって分割してしか経費にすることはできません。
100%即時償却を利用することで、その分、経費が増えて利益が圧縮され、法人税の負担を軽減することができます。
ただし、100%償却してしまうと、翌年以後は減価償却費が無いので、トータルでの法人税は変わりません。
*1 耐用年数 ・・・ その設備が何を作るのかによって、耐用年数を判定します。
輸送用機械器具製造業用9年、家具又は装飾品製造業用11年、金属皮膜製造業用6年など
国税庁 – 耐用年数等の見直し(平成20年度税制改正)に関するQ&A
② 税額控除
資本金3000万円以下ですと取得価額の10%、資本金1億円以下ですと取得価額の7%を法人税額から控除できます。
こちらは、上記①とは異なり、翌年以後も減価償却費がありますので、税額控除分が、まるまる節税となります。
③ 固定資産税ゼロの措置
先端設備導入に伴う固定資産税ゼロの措置が3年間受けられます。
ただし、別途、経営革新等支援機関の事前確認と市区町村の計画認定が必要です。
A類型の手続きの流れ
A類型の場合、
・販売開始から10年以内のモデルであること
・旧モデルと比較して生産性が年平均1%以上向上していること
などが条件となっています。
工業会にこの条件をクリアしていることを証明してもらいます。
①証明書の発行(工業会)
②経営力向上計画の申請、認定(経済産業局など)
③機械など取得
原則、事前に証明書の発行や計画の認定が必要ですので、お客様が設備購入を検討される段階での対応が必要となります。
その他の制度
中小企業投資促進税制ですと、30%特別償却や7%税額控除とはなりますが、工業会の証明や経営力向上計画の認定など不要ですので、あわせてご検討ください。
参考
中小企業庁 経営サポート「経営強化法による支援」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/
中小企業庁 経営サポート「先端設備等導入制度による支援」